冬休みのワークショップ、
新年初回の1/4は、
「この文字、どんな文字?~言葉のイメージを書初めにしてみよう!~」
を行いました!
この日は子どもにとって久々のcommon。
冬休みの様子を聞くと、「宿題で、書初めをした!」とのこと。
commonでは、学校とはひと味違う書初めを行いました。
正月の書初めと言えば、文字をきれいに書く、
ということにイメージがある方も多いと思います。
もちろんそれも大事なことのひとつです。
しかし今回は、きれいに書くことが目的ではなく、
想像力を膨らませ文字の意味やイメージを考え表現することがポイントになります。
commonで用意したアイテムは、象形文字
今回は1年生で習う漢字10個の象形文字を用意しました。
「これ、山っぽい」と、即答できるものもあれば、
「なんだろう・・」と困惑するようなものも。
象形文字とは、ものの形や絵から作られた文字です。
そんな象形文字から感じ取れる印象や場面を想像していきます。
「あ、これ雨だ」
雨という漢字は、空から雨が降ってきた様子を描いたものと言われています。
「雨って、どんなイメージ? ぽつぽつ?」
「ザーザー降り!雷とか・・」
すぐに自分の中で思い描く 雨 の印象が言葉で出てきました。
これにはスタッフもびっくり。
子どもの想像力や表現力は、大人の予想を常に超えていきます。
「じゃあザーザー降りの雨を文字にすると、どう書けるかな」
ここからは、筆と墨汁を使って、和紙に文字を書いていきます。
墨をたっぷりつけると、にじんで太い線に。
しかし、長い線を引くとすぐにかすれてしまうことに気づきました。
細く長い線を書くにはどうしたらいいか、試行錯誤。筆の上の方を持って、
細―くほそーく、慎重に筆を滑らせます。
ひとりの子どもの緊張と集中から、一瞬で空気が張り詰めました。
細い線で書けた雨は、まるで降りだしの小雨のよう。
そこから雨が強くなるように、何度も上から線を重ねて、
しまいには台風のような太い「雨」になりました。
その後は、学校で習った文字、自分の知っている文字、名前・・といろいろな文字を書きました。
どれも太く力強い線。
様々な書き方を試していましたが、この太い線に彼のこだわりが詰まっているようです。
最後に、力という漢字を、「力強く書くにはどうしたらいいだろう?」と尋ねると、
めいいっぱいの力をこめて、ゆっくり大きく「力」と書いてくれました。
その力強さは、裏に敷いていた新聞紙にまで写るほど!
今回は、漢字をただきれいに書くのではなく、
文字の持つ言葉の印象から表現方法を考え、書くという活動をしました。
普段なんとなく使っている漢字を、いつもと違う視点で考える。
このようにcommonでは、子どもの身近なアイテムを遊ぶように用いて想像力や表現力を養っていきます。
ちょうど学校で文字を習い始めたばかりの子どもにとって漢字とは、
ドリルでの書き取り練習のイメージが強くあるかもしれません。
同じ文字を繰り返し書いて、書き順や綺麗に書けないと親や先生に叱られてしまうことも。
そんな漢字の学習も、意味などを学び自ら考えることによって、楽しいものへ変わっていくことを願っています。